【解決事例】高次脳機能障害と1年後の死亡。交通事故との因果関係を証明し、約2,600万円の賠償金を獲得した事例
■ ご相談の背景・状況
ご依頼者様は、交通事故に遭われた80代男性(お父様)の息子様です。お父様が事故によって脳挫傷などの重傷を負われたため、相手方保険会社との賠償交渉を当事務所にご依頼いただきました。
懸命な治療が続けられましたが、残念ながらお父様は事故から約1年後にお亡くなりになられました。
■ 事件の争点と弁護士の対応方針
本件を適切に解決するためには、以下の3つの大きなハードルを越える必要がありました。
①成年後見人の選任
お父様は脳挫傷による高次脳機能障害を患い、ご自身の判断能力が著しく低下した状態でした。賠償手続きを進めるためには、まずはご家族を法的な代理人(成年後見人)として立てるための家庭裁判所への申立てが必要でした。
②適切な後遺障害等級の獲得
重篤な障害状態に見合った適切な賠償額を確保するためには、上位の後遺障害等級を獲得することが不可欠でした。
③事故と死亡との「因果関係」の証明
本件最大の争点です。事故から約1年が経過してからの死亡であったため、「死亡の原因が交通事故であること」を医学的・法的に立証しなければ、死亡に対する賠償金は支払われません。
■ 当事務所の活動内容と解決結果
まず、法的手続きの土台を整えるため、当事務所のサポートにより息子様を成年後見人とする審判を得ました。
その後、自賠責保険へ後遺障害等級の認定申請を実施しました。その際、主治医の診断書をお任せするだけでなく、当事務所から神経系統の障害や意識障害に関する医学的所見の取り付けを行い、ご家族の日常生活状況報告書の作成をきめ細やかにアドバイスしました。さらに、弁護士作成の意見書を添付し、被害の重篤性を積極的に主張しました。
お父様の逝去後は被害者請求へと切り替え、自賠責調査事務所に対して、死亡と事故との因果関係を詳細な診断書や診療報酬明細書に基づき論理的に立証しました。
結果として死亡との因果関係が正式に認められ、過失割合が2割程度ある事案であったものの、最終的に約2,600万円(自賠責保険金を含む)の賠償金を獲得することができました。
■ サポート内容の比較(ご依頼前後の変化)
| サポート項目 | ご依頼前(Before) | 弁護士介入後(After) |
| 成年後見の申立て | 後見人がおらず、法的な賠償交渉に着手できない状態。 | 弁護士のサポートにより家庭裁判所へ申立てを行い、息子様が後見人に就任。 |
| 後遺障害等級の申請 | 専門的な知見がなく、適切な等級認定の手立てが不明。 | 各種医療照会や報告書作成を支援。弁護士の意見書を添え、上位等級獲得を強力にバックアップ。 |
| 死亡との因果関係立証 | 保険会社から因果関係を否定されるリスクがあった。 | 医療記録(診断書等)を精査し、事故と死亡の因果関係を適切に立証・承認させる。 |
| 最終的な賠償交渉 | 相手方主導での交渉進行への不安。 | 適正な損害額を算定・交渉し、2割の過失減額を含みつつも約2,600万円を獲得。 |
■ 担当弁護士の所感・ポイント
本事例は、成年後見制度の利用から始まり、高度な医学的知識が求められる後遺障害申請、そして事故から長期間経過した後の死亡との因果関係の証明など、難易度の高い法的手続きが複雑に絡み合う事案でした。
ご家族がこれらすべてを抱え込み、保険会社と交渉することは、精神的・時間的に計り知れないご負担となります。本件では、当事務所が初期段階から介入し、これら一連の手続きをワンストップで主導できたことが、適正な賠償金獲得という結果に繋がりました。
突然の交通事故でご家族が重傷を負われ、今後の生活や手続きに不安を抱えていらっしゃる方は少なくありません。事故直後からの適切な対応が結果を大きく左右しますので、難しい事案であってもお一人で抱え込まず、まずは当事務所へご相談ください。
担当:弁護士 福ヶ迫昌孝



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