【パートナー弁護士コラム】弁護士×経営コンサル×IT。企業の「主治医」として、経営者の悩みを“早期発見・治療”する多角的な弁護士の視点

皆様、こんにちは。パートナー弁護士の福ヶ迫です。
今回は、私自身の自己紹介も兼ねて、私がこれまで取得してきた「資格」についてお話しできればと思います。
法律という「一つの物差し」の限界
皆様がイメージされる弁護士の仕事とは、何を思い浮かべるでしょうか。
一般的には、裁判所での訴訟対応や、契約書のリーガルチェック、あるいはトラブルが起きた際の示談交渉といったイメージが強いかもしれません。
確かに、法律の専門家として、依頼者の方が直面している目前の法律問題を解決することは私たちの重要な使命です。
しかし、私が長年実務に携わる中で痛感してきたのは、現代社会における問題、特に中小企業の経営や個人の資産承継といった分野では、法律という一つの物差しだけでは、依頼者の方のご要望に合わせた真の解決が図れないケースが多々あるという現実です。
「勝訴」が「勝利」とは限らない
企業経営には、法律(法務)だけでなく、税務、労務、財務、マーケティング、そして何より経営者の「想い」が複雑に絡み合っています。
例えば、ある契約トラブルを法的に「勝訴」で終わらせたとしても、その過程で貴重な取引先との信頼関係が完全に断絶し、事業の継続が危うくなってしまえば、それは果たして経営者にとっての「勝利」と言えるのでしょうか。
私は、単なる法律の専門家にとどまりたくはありません。依頼者の方が抱える問題の全体像を見渡し、経営や人生という大きな地図の中での「最適解」を提示できるプロフェッショナルでありたいと考えています。
その想いから、私は弁護士としての研鑽を積みつつ、経営コンサルタントの国家資格である「中小企業診断士」をはじめとする各種資格の取得に挑んできました。
「経営の羅針盤」中小企業診断士としての視点

中小企業診断士とは、企業の経営課題を分析し、成長戦略の策定や実行を支援する、まさに「経営の羅針盤」となるための資格です。
弁護士が扱う「法務」が、どちらかといえば「起きてしまった問題への対処」や「守りのリスク管理」に主眼を置くのに対し、診断士が扱う領域は、マーケティング、財務・会計、生産管理、IT戦略、人事・労務など、企業の「攻め」と「基盤作り」の全般にわたります。
私がこの資格の取得を決意した理由は、企業経営において「法律上はこうなっています」という回答だけでなく、一歩踏み込んだアドバイスをしたかったからです。
「今の御社の財務状況や業界の動向、組織の成熟度を鑑みると、この法的な選択肢を採ることが将来の成長に繋がります」
このように、法律と密接に絡み合う経済・会計・経営といった複合的な視点から、より実践的な提案が可能になります。
数字の裏にある「経営の痛み」を理解する
実際に資格取得を通じて得た知識は、私の弁護士としての視点を劇的に変えました。
例えば、財務・会計の知識を深く得たことで、貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)の数字の裏にある「経営の痛み」や「資金繰りの切迫感」を、肌感覚で理解できるようになりました。
これは、倒産事件や事業再生の局面において非常に役立っています。経営状態を法的側面だけでなく財務的側面からも分析できるため、より正確な事業評価や、事業継続の可否判断が可能となっています。

IT・不動産の知識を「共通言語」に
また、私は中小企業診断士以外にも、IT系資格の応用情報技術者資格や宅建士(未登録)などの資格も取得してきました。
現代のビジネスにおいて、ITはもはや切り離せない存在です。DX(デジタルトランスフォーメーション)やAIの活用、あるいはサイバーセキュリティやシステム開発を巡る紛争など、ITの仕組みを根本から理解していなければ、的確な法的助言ができない時代になっています。その時代の流れに合わせるため、応用情報技術者資格の取得も行いました。
さらに、宅建士としての知識は、相続や事業承継、あるいは企業の拠点戦略において欠かせない「不動産」という重要資産を扱う際に、実務的な取引慣行に基づいたアドバイスを可能にします。
これらの資格は、私にとって「依頼者の方の言葉を翻訳するための辞書」のようなものです。
経営者の言葉、IT担当者の言葉、不動産事業者の言葉。それぞれの業界の専門的な背景を理解することで、初めて「本質的な問題」を洞察することができると考えています。
資格はあくまで「手段」。目指すのは依頼者の発展

ただし、ここで強調しておきたいのは、私にとって資格はあくまで「手段」に過ぎないということです。
弁護士が多くの資格を持っていることを誇示しても、それだけでは依頼者の方の利益にはなりません。大切なのは、その体系的な知識をどう使い、目の前の依頼者の方にとって有益な解決に導けるかどうかになります。
中小企業診断士をはじめとする各種資格の取得は、私にとって一つの大きな節目となりました。これにより、弁護士としての私の役割は、単なる法的アドバイスの観点のみならず、「問題の発生を防ぎ、成長の方向を示す羅針盤」へと変化したものと考えています。
法律の知識という「安定した土台」の上に、経営をはじめとする法律以外の知識という「戦略的な視点」が加わったことで、私は中小企業の法的な安定と事業の発展の両方をサポートに貢献していける弁護士であり続けたいと考えております。
もしお困りごとのある経営者の方々には、企業経営のサポーターとして当事務所を上手に活用していただければ幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。
企業法務でお困りの経営者の方は、一度当事務所までご相談ください



宮崎県宮崎市老松1-2-2
宮崎県都城市上町13-18
宮崎県延岡市中町2丁目1-7