【弁護士の声】私が「都会」ではなく「宮崎」を選んだ理由

弁護士 柏田 笙磨 (72期)

司法修習生の皆さん、こんにちは。弁護士の柏田笙磨です。 将来の進路を考え、期待と不安が入り混じる重要な時期をお過ごしのことと思います。何を隠そう、かつての私も「都市部で最先端の仕事に挑戦したい」という想いと、「地元宮崎で地域に貢献したい」という想いの間で、進路を決めかねていました。

このページが、皆さんのキャリアを考える上での一つのヒントになれば幸いです。

原点となった宮崎での経験

私は司法試験に一度不合格となり、次の一年間を故郷である宮崎県日向市で過ごしました。来る日も来る日も、地元の図書館やファミリーレストランで勉強に明け暮れる毎日でした。

そんな中、偶然いただいたご縁で、地元の夏祭りの実行委員会に参加させていただく機会がありました。そこで出会った人情味あふれる事業者の方々や、地域のために汗を流す行政職員の方々との交流は、私に宮崎の温かさを改めて教えてくれました。

また、生活費を稼ぐため、これまたご縁があって、みなみ総合法律事務所でアルバイト事務員として働かせていただくことになりました。そこでは、先輩弁護士方の依頼者に真摯に向き合う姿勢や人柄の良さ、そして多種多様な事件を扱う事務所の活気を肌で感じることができました。

これらの地元でのリアルな経験を通じ、「人当たりが良く、気候も温暖で、食べ物も美味しい。そして、弁護士という仕事にも大きなやりがいがある。宮崎は、なんて素晴らしい場所なんだろう」と、その魅力を再発見したのです。

恩師の言葉 ―「大樹」のように根を張るということ

それでもなお、都会への憧れを捨てきれずに悩んでいた私は、合格報告のために訪れた母校の法科大学院で、当時、実務家教員として教鞭を執られていた弁護士の馬場啓先生(熊本・桜樹法律事務所)の研究室の扉を叩きました。

「先生、私は都会で働く魅力と、地元で働く魅力、その両方を感じて悩んでいます。まずは数年、都市部で研鑽を積んでから、将来地元に戻るという道が良いのでしょうか」

率直な悩みを打ち明けた私に、馬場先生は「自分も若い頃、全く同じことで悩んだよ」と笑顔で語りかけ、力強い助言をくださいました。

「弁護士とは、年輪を重ねて成長していく大樹のようなものだ。地域に深く根を張り、長い時間をかけて人格と実力を磨き、人々の信頼を掴む。そうして年輪を少しずつ太くしていくことで、初めて『自分の顧客』がついてきてくれる。君も、そういう立派な大樹になるべきだ」

この言葉は、馬場先生ご自身が恩師から受け継いだものであり、その言葉を胸に、地元の熊本で弁護士を続ける決意をされたそうです。先生は今、多数の顧問先から厚い信頼を寄せられ、熊本県弁護士会会長(平成27年度)や、日本弁護士連合会副会長(令和7年度)の重責を担われるなど、まさに地域に深く根差した立派な大樹となられています。

入所の決め手 ― なぜ、みなみ総合法律事務所だったのか

馬場先生の言葉は、弁護士という仕事の核心を突くものだと深く感銘を受け、私の進路を明確に照らしてくれました。そして、その「地域に深く根を張る」という理念を最も体現できる場所が、アルバイトとしてその内情を知っていた、みなみ総合法律事務所だと確信したのです。

入所を決めた理由は、主に以下の点にあります。

  1. 「根を張る」ための安定した基盤 当事務所は、弁護士複数人体制で宮崎・都城・延岡にオフィスを構える、県内でも有数の規模を誇る法律事務所です。この安定した基盤は、若手弁護士が腰を据えてじっくりと実力を磨くための、最高の土壌であると感じました。

  2. 成長を促す「風通しの良さ」 困ったとき、少し悩んだときに、親身に相談に乗り、的確な助言を授けてくださる先輩方がすぐそばにいます。年次に関係なく、自由に意見交換ができるこの風通しの良さは、弁護士として成長していく上で何よりの魅力だと感じています。

  3. 未来への投資を惜しまない「将来性」 比較的若く、情熱と行動力のある先生方が多く、事務所全体に「これから更に発展していくんだ」というエネルギーが満ちています。変化を恐れず、常に前進しようとする姿勢に、事務所の明るい将来性を感じました。

そして、少し現実的な話をすると、アソシエイトの待遇が県内でも最高水準であったことも、もちろん大きな決め手の一つです。経済的な安心感は、目の前の仕事に集中し、自己研鑽に励むための大切な基盤だと考えています。

最後に ― 未来の後輩となる皆さんへ

かつての私がそうであったように、皆さんも今、多くの選択肢の中で悩んでいることでしょう。

私の経験が、皆さんの決断の全てになるわけではありません。しかし、もし「地域に根ざして、じっくりと信頼を築き上げる弁護士になりたい」という想いが少しでもあるのなら、ぜひ一度、当事務所の話を聞きに来てください。

事務所見学の際にでも、私自身の経験を交えながら、皆さんの悩みや疑問に直接お答えできれば嬉しく思います。皆さんとお会いできる日を、心から楽しみにしています。

監修者

弁護士法人みなみ総合法律事務所柏田笙磨
顧問先企業の企業紛争、民事紛争、家事紛争全般の取扱いを専門とする。
相談実績は年間100件以上。法的手続を得意とし、専門訴訟を含め、勝訴判決多数。
主に延岡事務所を担当。

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